離婚

協議、調停、裁判の違いは?6つの離婚の種類の位置づけと比率を図解で解説

離婚すると一言に言っても、離婚には色々な種類があります。

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 審判離婚
  • 認諾離婚
  • 和解離婚
  • 判決離婚

協議離婚や調停離婚は聞きなれた離婚方法かもしれませんが、調停離婚と和解離婚の違いや、裁判が必要な離婚はどれなのかよくわかりませんよね。

厚生労働省の離婚に関する統計によると、離婚する約90%の人は協議離婚の形で決着がついていますが、離婚協議が上手くいかなかった場合、調停離婚や裁判離婚に発展する可能性もあります。

今回は6つある離婚の種類について、それぞれの違いと位置づけについて説明します。

この記事を読めばわかること
  • 6つの離婚の違いと位置づけ
  • それぞれの離婚の種類の比率
  • 離婚問題が長引いたときにどのような形で離婚を成立させるのか

離婚の種類は大きく分けると協議離婚と裁判離婚の2種類

冒頭で離婚の種類は6つあると説明しましたが、離婚の種類を大きくわけると、協議離婚と裁判離婚の2つです。

協議離婚と裁判離婚の違いを嚙み砕いて言うと、

  • 協議離婚・・・夫婦間の話し合いだけで決着させる離婚
  • 裁判離婚・・・夫婦以外で中立な立場の第三者を交えて決着させる離婚

といった感じです。

現在日本においては約90%の人が協議離婚で離婚しています。

つまり離婚問題で悩むあなたも、協議離婚の形で離婚する可能性が高いということですね。

ただしそれはあくまで一般論で、裁判離婚に発展することもありえますので、予備知識として、裁判離婚についても勉強していってください。

裁判離婚には離婚調停と離婚裁判の2つにわけられる

裁判離婚と一言に言っても、ドラマで見るような法廷で、いきなり争う訳ではありません。

協議離婚が成立しない場合、つまり夫婦の話し合いだけでは決着できない場合は、家庭裁判所に調停の申込を行い離婚調停を開くことになります。

そして離婚調停でも決着しない場合は、さらに家庭裁判所に離婚を訴えることで、法廷で争う離婚裁判が始まります。

離婚調停で決着する場合は調停離婚と審判離婚

離婚調停では法廷で争うわけではなく、調停員と裁判員を交えた話し合いで離婚協議を進めます。

中立な立場の第三者が双方から別々に話を聞き、離婚協議をまとめる方向で話し合いを進めていきます。

この調停の中で離婚協議が決着した場合、調停離婚となります。

一方、話し合いがまとまらなかった場合は、調停不成立となり、離婚申立ての訴えは退けられ、離婚を訴えた側は次の2つを選択することとなります。

  • 再度、家庭裁判所に離婚を訴え離婚裁判を起こす
  • 離婚を一旦諦める

ちなみに、離婚協議がまとまらなくても裁判所の審判で離婚問題を決着させるケースがあります。
これを審判離婚といいます。

ただし審判離婚に関しては、被告側(離婚したいと訴えられた方)からの異議申立てで取消すことができたり、審判離婚を成立させる要件も限られているため、審判離婚で決着するケースは0.1%にも満ちません。

離婚裁判で決着する場合は認諾離婚と和解離婚と判決離婚

離婚調停でも決着しなかった場合、離婚裁判を起こして、法廷の判決を仰ぐことができます。

ただし離婚裁判を起こすためには【法廷離婚原因】という、離婚を訴える適切な理由が必要です。

離婚裁判に至った場合、決着する方法は3つあります。

  • 認諾離婚・・・訴えられた側が、原告(訴えた側)の主張を全面的に認める
  • 和解離婚・・・離婚裁判の過程で、双方が和解し決着する
  • 判決離婚・・・裁判所が判決を下す

認諾離婚も和解離婚もどちらも裁判所が判決ではなく、本人たち同士で解決させたという意味では似ています。

ただし認諾離婚は『離婚する』という結論にのみ有効なため、子どもがいる場合の親権や養育費、もしくは慰謝料に関しても請求内容に入っていた場合には認諾離婚はできません

ちなみに認諾離婚も判決離婚も、平成16年にできた離婚の種類です。

それまでは、一度、離婚裁判を起こせば、判決以外の決着方法がなかったのですが、結果は同じ離婚でも双方の合意で決着できるのであればその方がいいという考えで、新たにできた離婚の形です。

ちなみに、費用に関して言うと、離婚裁判の場合、弁護士を雇うケースも少なくありません。

そのため、弁護士を雇う場合、離婚に関する費用が高額になってくる可能性もあります。

私は協議離婚で決着したため、離婚自体に費用はほとんどかかりませんでしたが、離婚後にもいろいろと費用がかかりました。
離婚前後は何かと物入りになるので、離婚裁判までいかないほうがいいのではないかと、個人的には思います。

図解|6つの離婚の位置づけと比率

今回紹介した6つの離婚の位置づけと、実際の比率をまとめると次のような図になります。
※数値データは厚生労働省「平成21年度離婚に関する統計」を参考にしました。

まずは離婚協議を行い、折り合いがつかない場合は離婚調停を、それでも決着しない場合は離婚裁判という流れになることがよく分かると思います。

まとめ|離婚には色々な種類があるが双方の合意が第一優先

今回は離婚の種類に関して説明してきましたが、6つある離婚の種類において、双方の合意の基、決着するのは4つです。

さらに言うと、最終的に双方の合意の基、決着した離婚は約99%で、双方の合意が得られなかった審判離婚・判決離婚の比率は、全体の1%程度しかありません。

もしかすると『長引く離婚問題に一方が折れて、判決を待たずに決着』というケースもあるのかもしれませんが。。。

個人的な意見としては、『あくまで双方の合意が基本である』ということを念頭に置いて、離婚協議の場では一方的な主張をするのではなく、相手のことも少しは考えて話し合いを進めれば、裁判離婚に発展するケースはもっと減るのかなと思います。